富士市に住みやすさを感じるかどうかは、家賃の安さだけでなく、通勤のしやすさ、子育て支援、買い物環境、防災への向き合い方まで含めて見ないと判断しにくいです。
静岡県東部の中でも富士市は、都市機能と自然環境の距離感が近く、車移動を前提にすれば暮らしやすいと感じやすい一方で、エリアによって便利さに差が出やすい街でもあります。
ここでは、富士市が住みやすいといわれる理由を先に整理したうえで、向いている人、注意したい点、住む場所の考え方まで、移住や転居を検討する人が判断しやすい形でまとめます。
富士市が住みやすい理由7つ
富士市が住みやすいといわれる背景には、自然の豊かさだけではなく、生活コスト、交通、子育て、就業環境など複数の要素があります。
ここでは、実際に暮らしやすさへつながりやすい判断材料を7つに絞って整理します。
生活拠点としての規模がちょうどいい
富士市は令和8年4月1日時点で総人口243,750人、世帯数113,242世帯の都市で、地方都市としては日常生活に必要な機能がそろいやすい規模感です。
大都市ほど混みすぎず、町として小さすぎて何もないわけでもないため、暮らしの密度が過剰になりにくい点は住みやすさにつながります。
市役所、病院、商業施設、学校、幹線道路が分散しながら配置されており、生活が一か所に集中しすぎないのも特徴です。
新幹線と高速道路で広域移動しやすい
富士市はJR新富士駅から東海道新幹線を使えるため、東京方面へ約1時間10分、新大阪方面へ約2時間20分という広域アクセスの強さがあります。
加えて、新東名高速道路の新富士インターチェンジと東名高速道路の富士インターチェンジが使いやすく、車移動を軸にすると行動範囲を広げやすいです。
普段は地方都市の落ち着きがありつつ、出張や遠出では時間を節約しやすい点は、通勤だけでなく働き方の自由度にも影響します。
車移動を前提にすると買い物がしやすい
富士市は駅前に機能が一点集中する街ではなく、ロードサイド型の店舗や生活施設を車でつないで使う感覚が強い街です。
そのため、車を持っている世帯ではスーパー、ドラッグストア、ホームセンター、飲食店を回りやすく、日常の買い物で困りにくい傾向があります。
徒歩圏だけで暮らしを完結させたい人には向き不向きがありますが、車がある人にとっては実用性の高い生活動線を作りやすいです。
子育て情報と支援メニューが見つけやすい
富士市では子育てガイド「はぐくむFUJI」を発行しており、妊娠、出産、保育園、遊び場、手続きなどを成長段階に応じて整理しています。
制度があるだけでなく、必要な情報を一冊や関連ページで追いやすいことは、初めての子育て世帯にとって大きな安心材料です。
子育て支援拠点の「みらいてらす」では、子育て支援センター、交流スペース、ワークルームなどが利用でき、無料で使える場が用意されています。
こども医療費助成が利用しやすい
富士市のこども医療費助成は、18歳到達後最初の3月31日までのこどもが対象で、子育て期の医療面の負担感を下げやすい制度です。
さらに、令和6年10月からは一定の所得要件を満たす世帯を対象に、窓口で支払った自己負担金の払戻し制度も始まっています。
家計に直結しやすい医療費の支援があることは、住みやすさを考えるうえで見落としにくいポイントです。
産業集積があり働き口の幅を持ちやすい
富士市は製紙業のイメージが強いものの、実際には輸送機器関連産業や化学工業なども集積している工業都市です。
令和4年の資料では、製造業の製造品出荷額等が1兆4,640億円超となっており、地域経済を支える産業基盤の強さがうかがえます。
特定の観光業だけに依存する街ではないため、製造、物流、関連サービスなども含めて就業の選択肢を持ちやすい点は生活の安定感につながります。
自然が近く息抜きしやすい
富士市は富士山、駿河湾、富士川に囲まれた地形で、都市生活の便利さと自然の近さを両立しやすい立地です。
大きなレジャー施設がなくても、景色を楽しむ、少し車を走らせて海や山へ出る、公園で過ごすといった日常の気分転換がしやすいです。
自然を特別なイベントとしてではなく、普段の暮らしの背景として感じやすいことは、住み続ける満足感に直結しやすい要素です。
富士市が向いている人はどんなタイプか
富士市の住みやすさは万人向けというより、生活スタイルとの相性でかなり評価が分かれます。
ここでは、富士市と相性がよい人の傾向を具体的に見ていきます。
子育てと仕事を両立したい人
富士市は子育て支援の情報整理が比較的わかりやすく、こども医療費助成や子育て拠点の存在もあるため、育児と仕事を並行したい世帯と相性がよいです。
保育園や認定こども園の空き状況も毎年度の情報が公開されており、入園の検討材料を事前に集めやすいです。
- 医療費助成が長め
- 子育て情報を追いやすい
- 親子で使える拠点がある
- 車移動で送迎しやすい
広域移動がある働き方の人
新幹線駅と高速道路の使いやすさがあるため、完全な地元完結型ではなく、東京や名古屋方面との往来がある人にも向いています。
毎日都心へ通う前提では負担がありますが、週に数回の出張や月数回の移動であれば、地方居住の利点と両立しやすいです。
| 向いている働き方 | 出張ありの会社員 |
|---|---|
| 相性の理由 | 新富士駅を使いやすい |
| 活かしやすい点 | 高速道路も併用できる |
| 注意点 | 駅から離れると車依存が強まる |
都市の便利さより暮らしやすさを重視する人
深夜まで遊べる繁華街や最先端の商業施設を重視する人には物足りなさがありますが、日常生活のしやすさを重視する人にはバランスがよい街です。
混雑しすぎない道路環境や、生活施設が分散していることを前向きに捉えられる人ほど満足しやすいです。
派手さより、家族で長く住む現実的な快適さを重視するなら、富士市は候補に入れやすいです。
富士市で住む場所を考えるときの見方
同じ富士市でも、どのエリアに住むかで便利さの感じ方はかなり変わります。
駅、幹線道路、学校、買い物施設との距離を基準に、自分の生活に合う場所を考えることが大切です。
富士駅周辺は日常利便を重視しやすい
富士駅周辺は東海道本線と身延線の利用がしやすく、通勤通学の選択肢を持ちやすいエリアです。
車がなくても一定の生活はしやすい一方で、道路の混雑や駅前らしい雑多さが気になる人もいます。
公共交通を少しでも使いたい人や、駅近の生活利便を優先したい人には検討しやすい場所です。
新富士駅周辺は広域アクセス重視で考えやすい
新富士駅周辺は新幹線利用のしやすさが最大の強みで、出張や帰省が多い人には大きな魅力になります。
一方で、駅前だけで生活のすべてが完結するわけではないため、日常の買い物や通学動線まで含めて確認したいです。
- 出張が多い人に合う
- 新幹線利用がしやすい
- 車併用だと便利さが増す
- 駅近でも生活圏確認が必要
郊外エリアは家の広さと静けさを取りやすい
富士市の郊外では、駅前よりも敷地や駐車場を確保しやすく、静かな住環境を選びやすいです。
その代わり、車がないと不便になりやすく、子どもの送迎や買い物が生活の中心になりやすいです。
| 比較項目 | 駅周辺 | 郊外 |
|---|---|---|
| 交通 | 公共交通を使いやすい | 車中心になりやすい |
| 買い物 | 徒歩圏も作りやすい | 大型店へ車移動しやすい |
| 住環境 | 利便重視 | 広さと静けさ重視 |
| 向く世帯 | 単身者や共働き | ファミリー世帯 |
富士市に住む前に知っておきたい注意点
富士市は暮らしやすい街として評価しやすい一方で、住んでから気づきやすい不便さもあります。
良い面だけで決めず、気になる点を先に把握しておくことで後悔を減らしやすくなります。
車がないと不便に感じやすい
富士市にはJR、岳南電車、路線バス、循環バス「ぐるっとふじ」がありますが、生活全体を公共交通だけで完結するのは簡単ではありません。
特に子育て世帯や郊外居住では、送迎や買い物のたびに車の有無が生活満足度へ直結しやすいです。
免許や車の維持費も含めて家計設計をしておくと、住み始めてからのギャップを抑えやすいです。
防災はエリアごとの確認が必須
富士市は令和6年3月に第5版へ更新された防災マップを公開しており、洪水、土砂、津波などを地域ごとに確認できます。
南海トラフ巨大地震に伴う津波については、国の想定で富士市沿岸に最大6メートルの津波が予想される一方、海岸沿いには海抜17メートルの防潮堤が整備されています。
ただし、田子の浦港から入る津波が港や沼川周辺であふれる想定もあるため、海に近いから危険、内陸だから安全と単純化せず、候補地ごとの確認が必要です。
| 確認項目 | 見るべき内容 |
|---|---|
| 洪水 | 河川近くの浸水想定 |
| 津波 | 港湾部や低地の想定 |
| 土砂 | 山沿いの危険箇所 |
| 避難 | 避難所と避難経路 |
華やかな都市機能を求めると物足りない
富士市は生活しやすさに強みがある反面、都市型の娯楽や大型商業施設の選択肢を最優先する人にはやや地味に映ることがあります。
夜遅くまで楽しめる繁華街や、徒歩だけで何でも済む都心型の利便を期待すると、印象に差が出やすいです。
- 繁華街の規模は大きくない
- 徒歩完結型ではない
- エリア差を受けやすい
- 車前提の発想が必要
移住や転居で富士市を選ぶなら何を見るべきか
富士市が住みやすいかどうかは、街全体の評判よりも、自分の家族構成と働き方に合うかで決まります。
最後に、転居判断で見落としにくいポイントを整理します。
支援制度は最新年度の条件まで見る
富士市では県外から転入する子育て世帯や若者世帯を対象に、子育て・若者世帯F-UJIターン奨励金があり、条件により最大50万円の交付があります。
また、移住就業支援補助金では、東京圏からの移住など一定条件を満たす場合に世帯100万円、単身60万円に加え、独自加算が設定される年度もあります。
ただし、対象年度、転入時期、年齢、子どもの人数などで条件が変わるため、金額だけで判断せず、申請期限まで含めて確認したいです。
空き家バンクも選択肢に入れる
富士市の移住ポータルでは空き家バンクが用意されており、売買や賃貸の情報に加えて、空き家リフォームに関する補助制度も案内されています。
新築や一般賃貸だけに絞るより、住まいの選択肢を広げやすく、エリアによってはコストを抑えながら広さを取りやすいです。
| 見る項目 | 確認したい内容 |
|---|---|
| 物件種別 | 売買か賃貸か |
| 立地 | 駅と学校と買い物距離 |
| 改修 | リフォーム要否 |
| 補助 | 対象条件と期限 |
平日と休日の動線を現地で試す
富士市は数字上の条件がよくても、住む場所によって朝夕の道路状況や買い物動線の感覚が変わりやすい街です。
候補地が決まったら、平日の通勤時間帯と休日の買い物時間帯の両方で実際に走ってみると、住みやすさの実感がつかみやすいです。
- 通勤時間の道路状況
- 保育園や学校への距離
- スーパーまでの所要時間
- 雨の日の移動しやすさ
富士市での暮らしを考えるなら相性の見極めが大切
富士市は、人口規模、交通アクセス、産業基盤、子育て支援のバランスがよく、地方都市としての暮らしやすさを感じやすい街です。
とくに、車を使う前提で生活を組み立てられる人、子育てと仕事を両立したい人、出張や広域移動がある人には候補に入れやすいです。
その一方で、徒歩中心の都心型生活を求める人や、華やかな都市機能を重視する人には合わない場面もあります。
富士市が住みやすいかどうかは、街全体の評判よりも、自分の通勤、買い物、子育て、防災の優先順位に合うかで判断すると失敗しにくいです。
住むエリアまで具体化して比較すれば、富士市は長く暮らしやすい現実的な選択肢になりやすいです。

