静岡県立大学薬学部は難しいのかと気になっている人は、偏差値だけでなく、日程、募集人員、倍率、科目負担、学科の違いまでまとめて見ないと実態をつかみにくいです。
とくに静岡県立大学の薬学部は公立大学中期日程で実施されており、前期中心の学部とは受験の動き方が異なります。
さらに4年制の薬科学科と6年制の薬学科で進路の方向性が違うため、同じ薬学部でも「どちらを目指すのか」で難しさの感じ方は変わります。
ここでは、静岡県立大学薬学部が難しいと言われる理由を数字と制度面から整理し、どんな受験生に向くのかまでわかりやすくまとめます。
静岡県立大学薬学部が難しいと言われる理由7つ
静岡県立大学薬学部が難しいと感じられやすいのは、単純に偏差値が高めというだけではありません。
中期日程特有の競争、共通テストと個別試験の配点、理科負担の重さ、学科ごとの違いが重なって、受験のハードルが高く見えやすい構造です。
中期日程で受験者が集まりやすい
静岡県立大学薬学部の一般選抜は、公立大学中期日程で実施されています。
一般的な国公立大学受験では前期日程を主軸に考える受験生が多い一方で、中期日程は実施大学自体が多くないため、志願者が集まりやすいです。
静岡県立大学の2026年度募集要項でも、薬学部のみが中期日程で募集されていることが示されています。
そのため、同レベル帯の受験生が集中しやすく、数字以上に競争が厳しく感じられやすいです。
志願倍率が高水準になりやすい
2025年度の一般選抜では、薬科学科の志願倍率が10.0倍、薬学科の志願倍率が11.0倍でした。
学部計でも10.7倍となっており、静岡県立大学内でもかなり高い部類に入ります。
もちろん志願倍率はそのまま合格難易度と一致しませんが、受験生の人気が集まっていることは確かです。
受験前の印象として「かなり難しそう」と感じる最大の理由は、この高い志願倍率にあります。
実質倍率も薬学科は軽くない
受験者ベースで見た2025年度の実質倍率は、薬科学科が2.5倍、薬学科が4.7倍でした。
志願段階で離脱者が出ても、薬学科は最終的な競争がなお重めです。
とくに6年制の薬学科は薬剤師を目指す受験生からの需要が強く、実質倍率も高くなりやすい傾向があります。
志願倍率だけで安心せず、受験者数まで見て判断する必要があります。
共通テストの比重が大きい
静岡県立大学薬学部の一般選抜は、大学入学共通テスト1150点と個別学力検査1000点の合計2150点で判定されます。
共通テストの配点が大きいため、二次試験での逆転だけを狙う受験は組みにくいです。
共通テストで一定以上を確保できないと、出願段階で強気になりにくい構造です。
つまり、当日の一発勝負というより、共通テストからすでに難しさが始まっています。
個別試験で物理と化学の負担が重い
個別学力検査では、物理基礎・物理が400点、化学基礎・化学が600点です。
薬学部志望では化学が重要だと思われがちですが、静岡県立大学では物理もきちんと得点できることが前提になります。
数学や英語だけで押し切ることは難しく、理科2科目を本格的に仕上げる必要があります。
とくに物理が苦手な受験生にとっては、この配点構成が難しさを強く感じる要因になります。
二段階選抜が設定されている
2026年度一般選抜の実施教科・科目及び配点によると、薬学部の両学科では募集人員に対して16倍を超えた場合に二段階選抜を行うことがあります。
第一段階は大学入学共通テストの成績で行われ、通過者にのみ個別学力検査が課されます。
つまり、出願できれば全員が二次試験まで進めるわけではありません。
共通テストの完成度が低いと、そもそも本番勝負の土俵に上がれない可能性があります。
4年制と6年制で求められる適性が違う
薬科学科は研究者や高度専門職技術者を育てる4年制で、卒業生のほぼ全員が大学院に進学するとされています。
一方の薬学科は6年制で、5年次に病院や薬局で実務実習を行い、卒業時に薬剤師国家試験の受験資格を得られます。
受験難易度だけを見ると薬学科のほうが人気面で高くなりやすいですが、進路の相性が合わない学科を選ぶと入学後に苦しくなります。
難しいかどうかは、学力だけでなく、進路適性との一致でも決まります。
数字で見るとどのくらい難しいのか
静岡県立大学薬学部の難しさをつかむには、印象論よりもまず数字を並べて見るのが近道です。
ここでは募集人員、倍率、ボーダー感、試験方式の4点から全体像を整理します。
募集人員は大きくない
2026年度の一般選抜募集人員は、薬科学科が26人、薬学科が54人で、薬学部全体では80人です。
中期日程でこの規模だと、受験生が集中したときに競争率が上がりやすいです。
しかも薬学部全体の入学定員は120人で、一般選抜以外にも学校推薦型選抜などに一定数が割り当てられています。
一般選抜一本で考える受験生には、見た目以上に狭き門に映りやすいです。
倍率は薬学科のほうが重い
2025年度一般選抜では、薬科学科が志願261人、受験155人、薬学科が志願595人、受験369人でした。
この数字から見ても、6年制の薬学科に人気が集まっていることがわかります。
薬剤師資格を目指せる学科は進路がイメージしやすいため、受験生の志望が集まりやすいです。
薬学科を狙う場合は、薬科学科よりも厳しめに見て準備したほうが安全です。
難易度の目安を表で整理する
外部模試データの目安と、公式の試験構造を同時に見ると全体像がつかみやすいです。
河合塾Kei-Netでは、2026年度のボーダーラインとして薬学科77%・偏差値57.5、薬科学科74%・偏差値55.0が示されています。
| 項目 | 薬科学科 | 薬学科 |
|---|---|---|
| 修業年限 | 4年 | 6年 |
| 2026年度一般選抜募集人員 | 26人 | 54人 |
| 2025年度志願倍率 | 10.0倍 | 11.0倍 |
| 2025年度実質倍率 | 2.5倍 | 4.7倍 |
| Kei-Netボーダー得点率 | 74% | 77% |
| Kei-Netボーダー偏差値 | 55.0 | 57.5 |
数字だけで判断しないほうがいい理由
偏差値やボーダー得点率は、あくまで合格可能性50%付近の目安です。
実際には中期日程のため出願の駆け引きが起こりやすく、共通テスト後の動きで体感難易度が変わります。
また、物理と化学の完成度によって同じ偏差値帯でも戦いやすさがかなり違います。
そのため、表の数字だけを見て「無理」と決めるのも、「行けそう」と楽観するのも早いです。
難しさを左右するポイントを整理する
静岡県立大学薬学部の難しさは、次のような要素が重なって決まります。
- 中期日程で志願者が集まりやすい
- 共通テストの配点が大きい
- 個別試験で物理と化学が重い
- 薬学科に人気が集中しやすい
- 二段階選抜の可能性がある
このうちどれが自分に重いかで、実際の受験難易度は変わります。
静岡県立大学薬学部で難しいのはどこか
静岡県立大学薬学部は、何となく難しいのではなく、受験の各段階に難所があります。
ここでは受験生がつまずきやすいポイントを科目面と制度面から分けて見ていきます。
共通テストで失点しにくいこと
共通テストは1150点と比重が大きいため、苦手科目を作りすぎると一気に不利になります。
薬学部では国語、地歴公民、数学、理科、外国語を幅広く使うため、理系でも文系科目を捨てにくいです。
英語はリーディング300点、リスニング50点の扱いで、総合350点として反映されます。
理科だけ強いタイプより、全体を安定してまとめられる受験生が有利です。
物理を避けにくいこと
個別試験は物理基礎・物理と化学基礎・化学で構成されます。
薬学志望者の中には生物選択寄りの学習歴を持つ人もいますが、静岡県立大学では二次試験の軸が物理と化学です。
そのため、生物中心で仕上げてきた受験生には相性がよくない場合があります。
逆に、物理と化学の両方を武器にできる受験生には戦いやすい大学です。
化学で差がつきやすいこと
個別試験では化学が600点で、物理の400点よりも配点が高いです。
薬学部らしく化学の完成度が合否に直結しやすく、理論、無機、有機を総合的に仕上げる必要があります。
表面的な暗記で乗り切るのは難しく、計算力や記述の精度まで求められやすいです。
化学が得意な人にとっては狙い目になり得ますが、苦手な人にはかなり厳しい配点です。
受験戦略を表で確認する
どこが難所なのかを感覚で捉えるより、試験構造に落とし込んだほうが対策しやすいです。
| 観点 | 難しさの中身 | 対策の軸 |
|---|---|---|
| 日程 | 中期日程で志願者が集中しやすい | 共通テスト後の出願判断を慎重に行う |
| 共通テスト | 1150点と比重が大きい | 苦手科目を放置しない |
| 個別試験 | 物理400点、化学600点 | 理科2科目を深く仕上げる |
| 二段階選抜 | 16倍超で実施の可能性 | 共通テストの完成度を上げる |
向いている受験生と向きにくい受験生
静岡県立大学薬学部が難しいかどうかは、学力水準だけでなく、自分との相性でも変わります。
ここでは受かりやすさではなく、戦いやすさという視点で向き不向きを整理します。
向いている受験生の特徴
静岡県立大学薬学部に向いているのは、共通テストを大崩れせずまとめられ、物理と化学を二次レベルまで引き上げられる人です。
また、中期日程まで粘って受験計画を組める人にも合っています。
学科選択の面では、研究に進みたいなら薬科学科、薬剤師を目指すなら薬学科というように進路イメージが明確な人ほど迷いにくいです。
大学の特色と自分の将来像が一致していると、難しさは単なる障壁ではなく目標に変わります。
向きにくい受験生の特徴
反対に、共通テストより二次逆転型を狙いたい人や、物理に強い苦手意識がある人には向きにくいです。
また、薬学部に入りたい気持ちはあるものの、研究職か薬剤師かがまだ曖昧な人は学科選びで迷いやすいです。
中期日程は出願判断が遅いぶん、意思決定を先送りにすると準備不足のまま本番を迎えやすいです。
何となく知名度や公立という理由だけで選ぶと、受験でも入学後でもミスマッチが起こりやすくなります。
判断材料を箇条書きで見る
自分が静岡県立大学薬学部に合うかは、次の観点で確認しやすいです。
- 共通テストで7割台半ばを狙えるか
- 物理と化学を二次試験レベルまで仕上げられるか
- 中期日程まで受験計画を維持できるか
- 研究志向か薬剤師志向かが見えているか
- 倍率の高さに流されず出願判断できるか
この項目に多く当てはまるなら、難関ではあっても十分に挑戦圏内です。
受験前に知っておきたい学科選びの考え方
静岡県立大学薬学部では、4年制の薬科学科と6年制の薬学科で将来像がはっきり分かれています。
難易度だけで決めず、卒業後の進路まで含めて考えることが大切です。
薬科学科は研究志向の人向け
大学公式サイトでは、薬科学科は研究者や高度専門職技術者として活躍できる人材を育成し、卒業生のほぼ全員が大学院へ進学すると説明されています。
創薬や研究開発に関心が強い人にとっては、4年制だから簡単というより、進路が明確な専門コースと考えたほうが実態に近いです。
受験時には薬学科より倍率面で軽く見えることがあっても、入学後の学びは十分に専門的です。
研究を軸に考えるなら、薬科学科は非常に魅力的な選択肢です。
薬学科は薬剤師志向の人向け
薬学科は6年制で、5年次の病院・薬局実務実習を経て、卒業時に薬剤師国家試験の受験資格を得られます。
大学が公表している薬学部6年制学科における修学状況では、令和6年度卒業者の国家試験新卒合格率が90.5%とされています。
資格職としての道筋が見えやすいため、受験人気が高くなりやすいのも納得しやすいです。
将来像が薬剤師で固まっているなら、倍率の高さがあっても薬学科を正面から目指す価値があります。
学科選びを表で比較する
両学科の違いを受験前に整理しておくと、志望理由がぶれにくくなります。
| 比較項目 | 薬科学科 | 薬学科 |
|---|---|---|
| 修業年限 | 4年 | 6年 |
| 主な進路像 | 研究者・高度専門職技術者 | 薬剤師 |
| 大学公式の特徴 | 卒業生のほぼ全員が大学院進学 | 5年次に病院・薬局実務実習 |
| 向く人 | 研究開発に関心が強い人 | 医療現場で働きたい人 |
静岡県立大学薬学部を目指すならこう考えたい
静岡県立大学薬学部は、簡単ではありません。
ただし、難しい理由がはっきりしている大学なので、自分との相性を見極めて対策を合わせれば十分に現実的な目標になります。
中期日程で受験生が集まりやすく、2025年度は薬科学科10.0倍、薬学科11.0倍という高い志願倍率が出ました。
さらに共通テスト1150点、個別試験1000点という配点構成で、共通テストの安定感と物理・化学の完成度が重要になります。
研究志向なら4年制の薬科学科、薬剤師志向なら6年制の薬学科という違いも明確です。
自分がどちらの進路を望むのかを先に固め、そのうえで共通テストと理科2科目を軸に準備することが、遠回りに見えて最短ルートです。
参考情報は静岡県立大学の入試情報、2026年度入学者選抜要項、2025年度入試結果、学部公式ページ、河合塾Kei-Netのボーダーラインで確認できます。

